抄録
子どもの通級指導教室の利用を保護者はどう捉えているか明らかにすることを目的として,入級を決めた小中学生の保護者30名に半構造化面接を実施し,KJ法で回答を分析した結果,入級前から後への変化が見いだされた.入級前の保護者は,入級の利益と不利益の対立に直面し,申請過程で負の感情も抱いた.しかし,入級後の状況に希望が持て,通級の効果を実感し,個々の懸念が解消することで前向きになれた.そして,通級の実態,入級の妥当性,本人の同意,通いやすさを重視して申請を決めた.入級後には,連携,本人が安心できる場,本人と親のより良い状態という新たな利益が生じ,入級前に感じた不利益はほぼ解消するようであった.また,入級実現までの保護者を支えたのは,「現在の環境を改善することで,将来にかけての本人の状態を向上させたい」という思いだった.