抄録
本研究では,新型コロナウイルス感染症の世界規模での感染拡大(以下,コロナ禍)において教師と保護者が子どもの適応状況をどのように認識しているのかについて検討することを目的とした.2018から2021年の6~7月に,A県B町の中学2年生全生徒を対象とし,担任教師と保護者へStrengths and Difficulties Questionnaire(Goodman,1997)の日本語版(以下,SDQ)への回答を依頼した.全対象者1,222名のうち,保護者の同意が得られ,かつデータに欠損のない849名(69.5%)を対象とし,分析を行ったところ,コロナ禍の影響を受けている2020年度以降では,教師評定と保護者評定の相関が低くなっていた.また,2020年度では教師評定の向社会性が低い傾向がみられ,2021年度では保護者評定の情緒面が高い傾向がみられたのに対し教師評定では低い傾向がみられた.コロナ禍において,教師と保護者の子どもの適応状況の認識に差がうまれている可能性をふまえつつ,それぞれの認識を共有することで子どもの状況をとらえていくことが必要であると考えられる.