2025 年 65 巻 3 号 p. 222-226
第133回日本小児精神神経学会のスローガンである『いきる みつける(きづく) つながる 発達支援。いまから ここから』に込められた想いを基に,他のシンポジストや座長らとの対話につながるようにシンポジウムのテーマであるウェルビーイングに関しての議論を展開した.『本質観取』の手法を援用し,キーワードとなる『自己』と『生きづらさ』の意味する事象の自由変容を試み,子どものウェルビーイングの促進には養育者や医療者のウェルビーイングが重要であることを示した.さらにウェルビーイングを『あるがままの自分に安心できる状態』と定義し,心理的・身体的・時空的にもゆらぎの中にある日常の自分を,自己の本質観取の際に提示した『他や世界との曖昧化する境界の例(分人・一如・間主観性)』の側面からも再考した.子どもだけでなく対峙する我々自らの心の声にも耳を傾け『創造的な自己』を共に養うことが,生きづらさを感じているかもしれない子どもの『安全安心基地』となるためにも大切で集合的ウェルビーイングの促進ともなると提言した.