2026 年 66 巻 2 号 p. 102-109
岩永らが開発した感覚運動質問紙(協調運動質問項目)を実施した結果と発達性協調運動症(Developmental Coordination Disorder: DCD)への対応などを後方視的に調べ,神経発達症診療における質問紙の有用性について検討を行った.対象は神経発達症のある小学1~6年生の学齢児67例で,診断は自閉スペクトラム症57例,注意欠如多動症8例,暫定DCD18例であった.質問は34問で,姿勢バランス,全身運動,手先の運動,球技スキル,口の運動の5つの領域からなる.それぞれの領域の合計点数が基準値(5%ile, 10%ile)を超えた人数とそれに対応する指標を後方視的に検討した.合計点数が5%ile以下,10%ile以下を示した症例の比率は,それぞれ,姿勢バランス22%,42%,全身運動30%,49%,手先の運動37%,54%,球技スキル19%,36%,口の運動36%,55%であった.神経発達症では基準値を超える症例の割合が高かった.質問紙の領域別評価を参考にし,リーフレットを用いてアドバイスを行った.質問紙は苦手な領域を簡便に把握できるため有用と考えられた.