2026 年 66 巻 2 号 p. 95-101
【目的】「言葉の遅れ」のある幼児にどのような様子があると自閉スペクトラム症と診断される確率が高まるのかを明らかにする.【対象】2022年4月~2023年3月の期間にA市子ども発達センターに「言葉の遅れ」を主訴として初診した117人(男児90, 女児27).【方法】保護者が記入した日本語版M-CHATの項目と診断分類との関係をベイジアンネットワーク分析により検討した.【結果】対象集団において,「言葉の遅れ」のある児が自閉スペクトラム症と診断される確率(事前確率)は0.6489であった.自閉スペクトラム症の診断と構造学習上関係のあったM-CHATの項目は「呼名に反応する(呼名反応)」「変わった動き・癖がある」「注意を自分のほうにひこうとする」の3項目であった.ベイジアンネットワーク分析により「言葉の遅れ」+「呼名反応がない」+「注意をひこうとしない」の3つが見られる児が自閉スペクトラム症と診断される確率は0.9287であった.【考察】主訴と特性の組み合わせにより診断確率を高めることができる可能性がある.