写真測量
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2層媒質中の写真測量における遂次近似標定
森 忠次岡本 厚
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1970 年 9 巻 4 号 p. 1-11

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抄録
2層媒質写真測量においては, 媒質中における光の屈析を考慮することができれば, 被写体のモデルが再現できるわけである。これの解析的な研究はかなり進んでいるが, 機械的図化機を用いて2層媒質写真測量を実施できるような屈析光線再現のための装置がまだ開発されていない。そこで, 通常の図化機を用いて1対の写真を標定するための実用的な方法を提案した。できるだけ通常の標定法に類似し, かつ簡単な方法とするために, 5つの標定要素を用いて相互標定を行ない, 残りの標定要素を絶対標定によって定める方式をとった。このような相互標定ではモデルが完全に形成されない。また, 絶対標定に用いる基準点は見かけ位置 (レンズから発した光線をそのまま延長したときに仮想の交会点があると考える) にあるものと考えるため, 絶対標定にも誤差が含まれる, したがって, 理論上1回の標定で済ますことはできず, 繰り返し標定する必要が生ずる。数値計算例によって標定精度を検討したところ, 実用可能な程度の精度の得られることがわかった。
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© 社団法人 日本写真測量学会
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