写真測量とリモートセンシング
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画像クラスタリングにおける非線形統合法
新井 康平
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2004 年 43 巻 5 号 p. 68-73

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抄録
既存の階層的, 非階層的なクラスタリング方法は, 基本的に線形分離が可能なクラスタ分布に対してはよくクラスタ化できるが, それが不可能な, 特徴空間における分布が複雑に入り組み, 線形分離が不可能な場合は誤ったクラスタ結果を露呈してしまう。非線形な識別境界を実現するクラスタ手法として, ここでは非線形な分離・統合法を提案している。すなわち, クラスタリングの過程においてクラスタ分布を多次元正規分布と仮定して, その分散共分散行列の当確率線 (たとえば1シグマのコンター) の長径と短径の比を調べ, それがある値 (たとえば, 1.5) 以上であるならば, 当該クラスタを2分して, 最終クラスタ数を1つ追加してクラスタリングを継続するものとした。また, その後, 分離したクラスタを最後に統合することにした。このことにより, 既存のクラスタリング手法では分離不可能な異なるクラスタを分離することができるようになった。
この提案方法を, シミュレーション画像データおよびランドサットTM画像データを用いてk平均法とクラスタ精度を比較することによって評価したところ, 提案方法の優位性が確認できた。
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© 社団法人 日本写真測量学会
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