日本惑星科学会秋季講演会予稿集
日本惑星科学会2003年秋季講演会予稿集
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ポスターセッション1 10/8(水)15:45~17:00
惑星を持つ恒星と持たない恒星の自転速度の関係
*浦川 聖太郎伊藤 洋一向井 正
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p. 36

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抄録

1995年に初めて太陽系以外の惑星系が発見されて以来、100個を超える系外惑星が発見されている。惑星を持つ恒星の物理量には、何らかの特徴的な傾向があるのだろうか?これまでの研究では、惑星を持つ恒星は金属量が高いと報告されている。本研究では、このような特徴の一つとして、恒星の自転速度と惑星を持つことの関係に注目した。原始惑星系円盤の角運動量の分配先は、惑星を持つ恒星と惑星を持たない恒星の間で次のような違いがある。・惑星を持つ恒星:惑星や小天体の公転運動がもつ角運動量+恒星の自転運動がもつ角運動量+恒星風として散逸する角運動量。・惑星を持たない恒星:恒星の自転運動がもつ角運動量+恒星風として散逸する角運動量。星形成段階での全角運動量はそれぞれの星で異なる。しかし全体として、惑星を持つ恒星の自転速度は、惑星を持たない恒星のものより遅い傾向があると予想される。この考えのもと、惑星を持つ恒星と、惑星が発見されていないG、K型矮星の自転速度分布を2標本検定した。その結果、惑星を持つ恒星は、惑星を持たない恒星よりも自転速度が遅い傾向にあることが分かった。講演ではこの傾向を利用した、効率の良い系外惑星候補天体の選択方法についても報告する。

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