日本惑星科学会秋季講演会予稿集
日本惑星科学会2003年秋季講演会予稿集
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オーラルセッション7 10/10(金)13:15~14:45
微惑星は塵の衝突付着で形成されるか?
*関谷 実武田 英徳
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p. 75

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抄録
原始惑星系円盤内で微惑星が形成される過程として2通りの仮説がある。
(1)原始惑星系円盤中の塵が非重力的な力により衝突付着して微惑星になる。
(2)原始惑星系円盤中の塵の層が、自己重力により不安定性を起こして多数の塊に分裂して微惑星ができる。
最近は特に海外では前者が有力視されている。これは、乱流のために、自己重力が効くほどダストが中心面付近に沈殿濃集できないと考えられているためである。我々は原始惑星系円盤内で大きな塵の塊に向かって小さな塵の塊が入射するとどうなるかを考えた。結果は以下の通り。
(a) 小さな塵の塊は、大きな塵の塊に1度だけ衝突する。衝突速度は50m/s程度。
(b) 衝突の際に小さな塵の塊は粉々(monomers)に砕ける。
(c) それぞれの粉(monomer)は大きな塵の周りの気体の流れに引きずられるために、二度と大きな塵に衝突しない。
以上の過程を考えると、非重力的な力による集積は困難であるように思われる。消去法ではあるが、微惑星は自己重力不安定により出来たのではないかと考えられる。
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