抄録
今までの天然試料を用いた輝石の可視から近赤外反射スペクトルの研究は、Fe 以外の遷移元素が入ったものを使用しており、そのスペクトルは遷移元素によって起こる吸収が複雑に合わさったものであった。そこで、より系統的に吸収スペクトルから単一の遷移金属の影響を議論するためには、組成を制御できる合成輝石を用いることが必要である。本論文ではMgO, FeO, CaO, SiO2 から成る単純な組成の輝石を合成し、その可視から近赤外反射スペクトルを測定し、修正ガウスモデルを用いてピーク分離することで、スペクトルを分析した。