抄録
惑星に散乱された微惑星は、その後の銀河潮汐力などの外力によりオールト雲へと進化した。本学会では銀河潮汐力による微惑星の軌道進化についての研究結果を報告する。本研究では銀河ポテンシャルの形を軸対称に仮定する。軌道長半径が数万AUの微惑星が受けるz方向の銀河潮汐力の大きさは、太陽重力の約1/1000程度、軌道進化のタイムスケールは数億年である。軸対称の摂動の下では、近点引数がπ/2または3π/2のまわりを秤動する「古在機構」と呼ばれる振る舞いを見せることがある。本発表では古在機構の銀河潮汐力への応用と数値計算結果の例を示し、軌道進化の銀河潮汐力のパラメータへの依存について議論する。