抄録
日本には非常に稠密な地震観測網が展開されており、隕石落下や大火球出現時にしばしば衝撃波により励起されたと思われるシグナルが地震観測網に捉えられている。衝撃波の振幅は、流星体が単位時間あたりに押しのける大気量、すなわち衝突断面積と飛行速度に依存している。簡単の為に球状の流星体を考えれば、振幅の変化は落下速度の変化と流星体直径の減少を表しているといえる。本研究では、宮古火球・神戸隕石・関東大火球について地震観測網に捉えられた衝撃波シグナルの振幅から、アブレーションにより落下中に流星体のサイズが減少して行く様子を推定した。