抄録
これまでの多くのダスト成長の理論モデルでは、ダストは球形としたり、衝突時には破壊はせずに合体するなどの簡単化がなされており、現実的なものとはいえない。実際、このようなモデルではミクロンサイズ以下のダストが急速に消失するため、観測結果と矛盾する。本講演では、円盤表面での氷蒸発によるダスト分解について考える。これは原始惑星系円盤表面の広い範囲でミクロンサイズ以下のダストを効率的に生成するメカニズムである。講演では、これによる原始惑星系円盤の SEDや温度、ダスト移動に対する影響についても議論する。