抄録
本研究では粘性圧縮流体中での発泡メカニズムの解明を目的とし、気泡サイズ分布と流体粘性の2つの効果を同時に考慮した新しい気泡形成モデルを構築した。構築した理論モデルから、流体中で析出する気泡のサイズ分布の時間進化やそれらと粘性率と拡散係数との関係を明らかにした。その結果、低粘性流体では、気泡サイズ分布は常に分散の小さい単一分布を示す。一方、粘性率が高くなると、気泡サイズ分布は発泡直後に分散の大きい分布を示すが、ある程度時間が経つと単一分布に移行する。このようなサイズ分布の時間進化の様子は、本研究で初めて明らかになった。