抄録
本研究ではレーザー法を用いてクレーター形成過程の直接観測を行い、スケーリング関係式の標的物性依存性について調べた。その結果次のことがわかった。(1)衝突直後、掘削領域の直径は時間に対してベキ乗則で増加するが、後半段階において直径増加率は時間と伴に減少し、この直径増加率の時間に対する減少率が標的物性に依存する。(2) 過渡クレーターの形成後すぐに崩壊が起こり、崩壊過程での直径増加量も標的物性に依存する。また、過渡クレーターの形状(深さ-直径比)は標的物性に依存しないが、最終クレーターの形状は標的物性に依存することが分かった。