抄録
蛍光X線観測は、惑星探査の代表的手法の一つであり、フライバイ探査によって大気のない惑星の表層元素組成を定量的に決定することができる。はやぶさ搭載XRS (X-Ray Spectrometer) では、イトカワ表層からの蛍光X線を観測し、定量的に表層元素組成を決定する。蛍光X線は太陽X線を励起源としているが、イトカワ観測期間中の太陽活動度は予想より低く、CaやFeなど高エネルギー側の元素を検出するには、観測期間のデータを長時間積分する事が必要である。我々は、数値シミュレーションの結果より積分時間を検討し、距離や視野を十分に考慮して解析を行った。