抄録
アエンデ隕石に含まれるコンドルールを構成する鉱物のLi含有量とオリビンのLi同位体比を、SIMSを用いて測定した。殆どのオリビンのLi濃度は1.0 ppm未満の枯渇した組成を示した。また、コンドルールごとにLi濃度の分布幅と平均組成も異なっていた。オリビンのLi含有量と同位体組成には、明確なゾーニングは見出されなかった。母天体内での二次変質作用と熱変成作用によるオリビンのLi拡散距離は最大でも70μm程度と見積もられる事から、コンドルールは形成当時のLiの不均一性をある程度保持しているものと考えられる。