埼玉理学療法
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研究と報告
McKenzie法による腰痛症の構造的診断の疫学的調査
安藤 正志
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2004 年 11 巻 1 号 p. 23-28

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抄録
本邦においては、これまでMcKenzie法に基づいた腰痛診断の調査がなされていない。そこで今回、McKenzie法に基づいた腰痛症の構造的診断分類の分布を知ることを目的として疫学的調査を実施した。調査対象は国際Mckenzie法講習会を受講した40名の理学療法士が実際治療を行った症例であった。診断基準を明記した表とカテゴリー分類表を対象となる理学療法士へ郵送した。10名の理学療法士より分類表を回収できた。有効調査症例数は330例であった。その内訳はPostural Syndrome 11例、Dysfunction Syndrome 47例、Adherent Nerve Root 4例、Entrapment 4例、Derangement Syndrome 235症例、その他29症例であった。それぞれのカテゴリー毎に男女別の発生率を見たところ男女別の差は検出されなかった。各カテゴリー別の発生率を年代別に調査したところPostural Syndromeは20歳代、Dysfunction Syndromeは40歳代以上、Derangement Syndromeは20から50歳代に多発することが明らかとなった。本研究により本邦における腰痛症の構造的診断カテゴリーの分布が明らかとなり、これは構造的診断ための指針の一助となる。
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© 2004 社団法人 埼玉県理学療法士会
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