抄録
当センターでは開院当初より急性心筋梗塞(以下,AMI)患者に対し,積極的にリハビリテーションを実施している。開院当初より,医師・看護婦のみで行っていたリハビリテーションは約3年経過した段階で医師・理学療法士の監視のもと,回復期においても行う形となった。そこで,今回は当センターにおける虚血性心疾患患者の運動療法を特に心筋梗塞後患者に焦点を当て紹介し,現在までの患者の実態を調査・報告することを目的とした。調査はカルテより後方視的に行い,対象患者の重症度,運動療法参加率,復職状況について実施した。その結果,当センターにおける監視型運動療法に参加した患者は心臓の機能面からみて比較的重症な者が多く認められ,そのような中でいくつかのAccidentは経験したものの,良好に対応でき,幸いにも死亡者は認められなかった。また復職率は発症以前より定職をもっていた者の約6割が復帰していた結果を示したが,その検討のために社会・心理的背景を調査・分析することが今後の課題と思われた。