抄録
我々のグループ(Paleo-Kathmandu Lake project)は,2000年と2001年にカトマンズ盆地で学術ボーリングを行い,長さ218mに達するボーリング・コアをはじめとする数本のボーリング・コア試料の採取に成功した.本報告では,現在までに得られている堆積物中の粘土鉱物の質的変動及び量的変動の結果とその古気候・古環境的解釈に的を絞って紹介する.粘土鉱物量の変動,イライト鉱物量の変動,およびイライト結晶度指標の変動から描かれたカトマンズ周辺の過去約5万年前までの古気候変動曲線は,同コア試料の花粉分析の結果と調和的である.また,インド洋の深海底堆積物中の有孔虫から得られている酸素同位体比変動曲線とも良く一致し,本地域がグローバルな気候変動システムと密接に関係していたことが推察される