埼玉理学療法
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研究と報告
身体状況を認識できない片麻痺患者の治療経験
古澤 浩生
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2000 年 7 巻 1 号 p. 57-61

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抄録
今回、発症から約1カ月の左片麻痺患者の理学療法において、ボディーイメージの認知という側面から患者像を捉え治療を行った。成人片麻痺の本態は脳の両側統合障害であり、二分割された左右半身から異なった感覚が脳に入力されるため患者のボディーイメージは混乱に陥り、外部環境への適応を阻害しているものと仮説した。結果として歩行の自立及び自己管理能力に改善を認め、外部環境への適応を促すことができた。運動療法の中で、ボディーイメージの認知は感覚-運動経験学習に重要であり、包括的にアプローチすることが必要である。
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© 2000 社団法人 埼玉県理学療法士会
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