埼玉理学療法
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研究と報告
非伸縮性粘着テープが神経緊張検査結果に及ぼす影響
藤縄 理森川 美紀森永 昌枝久保田 章二井上 和久植松 光俊溝呂木 忠江原 皓吉細田 多穂有川 功
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2000 年 7 巻 1 号 p. 62-68

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抄録
Butlerらは神経組織の可動性障害に対する検査・治療方法として、神経緊張検査と神経系のモビライゼーションを提唱している。また、我々は筋筋膜機能異常による疼痛に対して、非伸縮性粘着テープ(以下テープ)を実施してその効果を経験してきている。そこで上肢の痛みやしびれを訴えた患者にButlerらの方法で上肢の神経緊張検査を行い、陽性所見が出た患者のうち鑑別評価により筋筋膜機能異常による神経絞扼症状と考えられた患者5名にテープを施行した。テープは機能異常を呈していた筋の皮膚上に2~4 mm幅のテープを格子状に張り付けた。その後、直ちに再度神経緊張検査を実施してテープが検査所見に及ぼす影響を評価した。その結果、全ての患者で神経緊張検査所見が改善した。テープによる皮膚や筋、関節からの刺激が、機能異常を起こしていた筋の緊張を低下させ、その結果、神経絞扼症状が改善したものと考えられる。
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© 2000 社団法人 埼玉県理学療法士会
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