埼玉理学療法
Online ISSN : 1348-0294
Print ISSN : 0919-9241
ISSN-L : 1348-0294
研究と報告
半背臥位における腹直筋の筋活動
田口 孝行柳澤 健新田 收久保田 章仁井上 和久西原 賢丸岡 弘原 和彦藤縄 理植松 光俊中山 彰一溝呂木 忠江原 晧吉細田 多穂
著者情報
キーワード: 半背臥位, 腹直筋, 筋活動
ジャーナル フリー

2002 年 9 巻 1 号 p. 25-29

詳細
抄録
著明な腹直筋の筋力低下を有した患者に対する筋力増強運動は、体幹部を軽度傾斜させた肢位(半背臥位)を負荷強度調節方法の一つとして用いる場合がある。本研究では、半背臥位で体幹屈曲させた際に生じる腹直筋の筋活動を測定し、徒手筋力測定法(以下MMT)の肢位である背臥位での筋活動と比較し、半背臥位における腹直筋の筋力増強運動方法について検討することを目的とした。対象は若年健常男性8名。方法は20°の半背臥位と背臥位で、MMTの段階2∼5の課題と同様の(1)頸部屈曲位保持、(2)上肢を体前伸展位·(3)上肢を胸前·(4)上肢を後頭部に置いた体幹の屈曲を行わせ、その際の腹直筋の筋活動を筋電図にて測定した。その結果、半背臥位における各運動課題の腹直筋の筋活動は、MMTと同様の上肢の位置を変化させた負荷強度設定を用いた場合、MMTの1∼2段階低い運動課題で生じる筋活動に相当することが示された。このことから、半背臥位で腹直筋の筋力増強運動を行う際に負荷強度設定の目安になると考えられた。
著者関連情報
© 2002 社団法人 埼玉県理学療法士会
前の記事 次の記事
feedback
Top