日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集
Online ISSN : 2758-7983
第10回 日本予防理学療法学会学術大会
セッションID: SOS-01-3
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産業OS1
勤労者医療で看護職が関わる治療と仕事の両立支援~one team医療を目指して~
井谷 美幸本田 優子坂本 和歌子髙矢 央子浅田 史成久保田 昌詞
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抄録

勤労者医療は、勤労者の健康と職業生活を守ることを目的として行う医療及びそれに関連する行為の総称です。労災病院の使命は「勤労者医療の中核的役割を担い、勤労者医療を推進すること」としています。労災病院の看護職は、勤労者看護の視点をもって患者の病気の問題だけでなく、職業生活にも目を向けた課題に支援を行っています。「勤労者が健康と労働とをより良く調和させ、勤労者各人がその健康レベルに応じて健康的に働くことができるよう、看護の立場から主として臨床の場で健康支援を実施すること」が勤労者看護の定義です。労災病院における勤労者医療 (看護)の範囲は、疾病予防、早期発見・治療、リハビリテーション、職場復帰、仕事と治療の両立支援の促進と多岐にわたり、さまざまなステージにいる勤労者とその人を取り巻く人々を対象としています。 治療就労両立支援センター保健師としての活動は、①多職種カンファレンスに参加、②勤労者看護委員会メンバーとしての活動、③大阪労災看護専門学校で勤労者医療概論・勤労者看護の授業を行うなどして勤労者看護を病院の中で進める支援をしています。勤労者看護を病院の中で進めていくための勤労者看護委員会では、院内認定看護師制度に、勤労者看護のジェネラリストとしての人材育成があります。労災看護学生ならではの勤労者看護の授業では、産業医学の父といわれるイタリアのラマティーニが『働く人の病』に、「産業医学を遂行するものにとって、常に念頭におかなければならないことは、職業についての問診である」と明言されているように、問診では職業的要素を見ていく姿勢が基本的なあり方であると伝えています。勤労者看護の視点を持つ看護師は、健康と職業生活を守ることを目的とした看護を展開することができ、対象者の労働生活を維持していくために、生活スタイルと生活パターンを変更・工夫 ・調整できるアセスメント能力を持つことが期待されています。そのうえで、多職種連携をもってチーム医療を行っていくこと が質の高い治療と仕事の両立支援を患者に提供できることだと思います。 産業保健の3管理 (作業管理、作業環境管理、健康管理)の観点より理学療法士との協働を行った事例について紹介したいと思います。

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