主催: (一社)日本予防理学療法学会、(一社)日本理学療法学会連合, 第59回 日本理学療法学術大会
会議名: 第11回 日本予防理学療法学会学術大会
回次: 1
開催地: 仙台大学(宮城県柴田郡柴田町)
開催日: 2024/11/09 - 2024/11/10
【はじめに、目的】
回復期リハビリテーション病棟(回復期リハ)退院後、生活期の装具利用者が安心して暮らせるようにするには常に適切な状態で使用できなければならい。しかし、装具の調整、修理に関して他者に指摘されるまで気づかないケースや作り変えのタイミングや連絡先を知らない等でそのままになっているケースがある。装具分野においては、地域の医療・介護従事者と関りをもつことは重要である。そこで今回、回復期リハの脳血管疾患患者において、退院後の装具外来受診に医療・介護サービスの利用が影響するのか検討する。
【方法】
対象は2021年4月から2022年3月に当院で装具を作製し、自宅退院した脳血管疾患患者75名とし、カルテを後方視的に分析した。退院後に利用した医療・介護サービスは外来リハビリテーション、訪問リハビリテーション、訪問看護、デイケア・デイサービスとした。主要アウトカムを医療・介護サービスとし、交絡因子を調整するために年齢、性別、居住地に関して傾向スコア (propensity Score:PS)を用いて疑似ランダム 化を行った。PSマッチング後に装具外来の受診に関して医療・介護サービス利用の有無で群間比較を行った。尚、本研究に関して当院倫理審査委員会より承認を得た。
【結果】
傾向スコア法では、サービス利用の有無ではそれぞれ 17名がマッチングされた。傾向スコアマッチング後における装具外来の受診はサービス有群23.5%、サービス無群52.9%で差はなかった。退院後装具外来までの受診日数はサービス有57.8±22.1日、サービス無128.5±150.5日で差はなかった。
【考察・結論】
医療・介護従事者との関わりにより生活期の装具利用者が装具外来の受診につながるかは認められなかった。生活期でお医療・介護従事者との関りがあることで装具に関するサポートを受けられていたのかは今回の研究では明らかにできないが、今後家族、サービス内容を含めた検討を行っていきたいと考える。
【倫理的配慮】
当院倫理委員会の承認を得た