主催: (一社)日本予防理学療法学会、(一社)日本理学療法学会連合, 第59回 日本理学療法学術大会
会議名: 第11回 日本予防理学療法学会学術大会
回次: 1
開催地: 仙台大学(宮城県柴田郡柴田町)
開催日: 2024/11/09 - 2024/11/10
【はじめに、目的】
高齢者の転倒原因として、下肢筋力、過去の転倒経験、TUG、バランス能力などがあげられる。しかし、これらの基準値をクリアしても転倒する高齢者が存在する。 2021年に日本眼科学会からアイフレイルという概念が提唱され、視機能と運動の関係が注目されている。身体機能は問題ないが、視機能の低下、特に周辺視野の低下により障害物に気が付かずに転倒するということも考えられるため、今回、眼と手の協応動作の評価を高齢者、若年者に行い周辺視野について比較した。
【方法】
対象は視覚機能や歩行に支障のない地域高齢者40名 (75.75±6.22歳)と健康成人45名 (20.32±0.46)とした。使用機器はビジョントレーニングシステム(東京メガネ,V-training)を用い、周辺視野の評価として眼と手の協応動作を計測し、高齢者と若年者で比較した。また高齢者には1年以内の転倒歴を聴取した。統計方法は対応のないt検定を行い、有意水準は5%とした。
【結果】
高齢者に転倒経験者はいなかった。眼と手の協応動作において高齢者は若年者に比べ有意に反応時間が遅く、遂行時間が長かった (p<0.01)。
【考察】
今回の結果から、高齢者は若年者に比べて眼と手の協 応動作能力が低下していることが明らかになった。高齢者の歩行動作の特性として、速度の低下や方向転換動作時の不安定さ、障害物回避動作能力の低下がある。歩行中に外界の情報をキャッチすることや、障害物を回避するには視覚情報の取り方が重要になる。特に周辺視野による情報収集は早期に危険を察知するために重要である。今回の研究結果から、高齢者は中心視でターゲットを注視した結果、身体の反応時間が遅延したと考える。今後は周辺視野を有効に使うトレーニングを行うことで、歩行中の転倒予防に繋げていくことが重要であると考える。
【謝辞】
本研究はJSPS科研費JP23K16700の助成を受けたものです。
【倫理的配慮】
本研究は国際医療福祉大学の倫理審査委員会の承認を得て実施した。 (23-Ig-12)