日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第43回日本臨床薬理学会学術総会
セッションID: 43_2-C-P-082
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一般演題 ポスター
TNF誘発視神経障害におけるネタルスジルのオートファジー関連因子の検討
*北岡 康史塚原 千広藤田 直輝有薗 生吹佐瀬 佳奈
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抄録

[目的] 最近我々はROCK阻害剤であるネタルスジルによる視神経軸索保護効果にオートファジーが関与することを報告した。ネタルスジルはさらにリン酸化AMPKを上昇させ、オートファジーを促進させていることも見出した。今回、他のオートファジー関連因子としてmTORに近いRaptorとその下流因子P70S6Kの変化を視神経で検討する。[方法] 8週齢雄性ラットの片眼に10 ng TNFもしくは20pmol ネタルスジル、もしくは同時投与し、もう片眼にはコントロールとしてPBSを硝子体投与した。1週間後視神経付きの眼球摘出し、視神経をサンプルにウェスタンブロットを行った。抗体としてリン酸化P70S6Kとリン酸化Raptorを使用した。[結果] 視神経にリン酸化P70S6Kが発現することを確認した。コントロール群に比してTNF群で有意な変化はなかった。またネタルスジル単独でもTNF同時投与でも有意な変化はなかった。一方リン酸化Raptorはコントロール群に比してネタルスジル群で有意な変化はなかった。[結論] ネタルスジルのオートファジー促進にはリン酸化Raptorとリン酸化P70S6Kを介さないことが示唆された。

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