日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第44回日本臨床薬理学会学術総会
セッションID: 44_1-C-S15-4
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日本臨床薬理学会認定薬剤師の取得とこれから
*太田 有紀
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抄録

「人生何があるかわからない。」認定薬剤師とは遠いところにいた私が、日本臨床薬理学会認定薬剤師を取得するに至った経緯と現状について紹介したい。

修士課程修了後も研究を続けたいという思いから聖マリアンナ医科大学難病治療研究センターへ入職し、疾患モデル動物を用いてdrug delivery system製剤の薬効や脂肪組織由来幹細胞の移植効果を評価する研究に従事していました。その後、出会いは突然訪れ、薬理学講座に異動となり、学生教育、そしてCRCとして治験を含め臨床研究の支援業務に携わるようになりました。それまで人と接する機会が少ない環境にいた私にとって、患者さんをはじめ、医師や多くの病院スタッフ、企業の方等と接する環境は緊張の多いものでした。そこでいかに相手から信用・信頼していただけるか、その解決策の一つが認定CRCを取得することでした。数年後、上司から認定薬剤師を取得してはどうかと打診されました。薬剤師業務を主としていない私に必要だろうか? しかし、大学を研修施設として存続させるために引き継いでいかなければという思いが勝り、2019年に認定薬剤師も取得しました。その後、「臨床研究データセンター」兼務となり、治験調整事務局、臨床研究の立ち上げ等、CRC業務以外でも研究を支援しています。CRC・薬剤師の認定を取得して何か変化したか、私にはよくわかりません。少なくとも私にとって認定取得とは、自身を継続して高めるための手段であり、それが結果的に信用・信頼につながるものであって欲しいと考えます。現在は、自身の培ってきた基礎研究、再生医療、そして臨床薬理学の知識をどのように業務に活かしていくかを模索している状態です。

日本臨床薬理学会の認定薬剤師は、他の認定や専門薬剤師とは異なり、実臨床で薬剤師業務に従事していない薬剤師も取得可能であり、大学、病院、薬局、製薬企業、規制当局等に所属していることは、臨床薬理学だからこその特徴と感じます。この特徴を活かしてつながりを作ることも今後の認定薬剤師制度の魅力になるのではないでしょうか。

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