主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第45回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: さいたま市
開催日: 2024/12/13 - 2024/12/14
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腫瘍崩壊症候群(Tumor lysis syndrome, TLS)は、がん細胞が急速に大量に細胞死することで、高カリウム血症、高リン血症、高尿酸血症、さらには腎障害、不整脈、痙攣を呈し、突然死をも引き起こす合併症であり、化学療法開始直後あるいは自然発生的に化学療法開始前にも発症する。TLSを発症後の致死率は30%にも及び、主たるがん化学療法の継続が困難になるうえ、早期発見と適切な治療により大部分は回復可能であるため、積極的な予防的治療を要するOncologic emergencyである。 がん化学療法開始前には、TLSのリスク評価を行い、化学療法開始前から血清尿酸値をコントロールすることが臨床的に重要であり、TLSリスクに応じた推奨治療が示されている。尿酸降下薬として、高リスク群では尿酸分解酵素ラスブリカーゼ、中間リスク群では尿酸生成抑制薬のフェブキソスタットやアロプリノールが挙げられる。 ウリカーゼは難溶性尿酸を水溶性アラントインと過酸化水素に分解する酵素である。ラスブリカーゼは遺伝子組み換え型ウリカーゼであり、極めて強力な尿酸降下作用を持ち、すでに生成された尿酸を低下させるため、有効性は98%である。 ラスブリカーゼはTLS,すなわち「がん化学療法に伴う高尿酸血症」に適応を有し、日本臨床腫瘍学会の腫瘍崩壊症候群(TLS)診療ガイダンス第2版においては、TLS高リスク群で推奨される。ラスブリカーゼは、化学療法の4~24時間前から通常0.2mg/kgの用量で1日1回点滴静注投与の必要があり、投与期間は本邦において最大7日間である。ラスブリカーゼ投与時には、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)欠損症患者では重篤な溶血性貧血、アナフィラキシー、中和抗体の産生に留意が必要である。 キサンチンオキシダーゼ阻害薬であるフェブキソスタットとアロプリノールは尿酸生成阻害薬であり、非プリン型のフェブキソスタットは「がん化学療法に伴う高尿酸血症」として、腎機能障害時にも用量調節は不要で、開始用量として60㎎を一日一回経口投与の保険適応をもつ。アロプリノールは長年の治療エビデンスを有する。フェブキソスタットは、アロプリノールと比して尿酸値AUCが優位に低下していることが示され、本邦でのTLS予防を目的とした臨床試験でアロプリノールに対する非劣勢が示されている。