日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第45回日本臨床薬理学会学術総会
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一般演題(口演)
限られたデータから臨床データ合成を創出する生成モデルの比較検証
宮野 咲紀関 弘翔川村 駿太青山 隆彦辻 康弘細野 裕行
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p. 27-

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抄録

【目的】近年の医薬品開発や臨床研究において,リアルワールドデータ(RWD)の利活用や人工知能(AI)応用が注目されている.我々は,医療データを生成モデルで学習し,仮想の患者データを合成する合成医療データの生成を検討している.一般的に,生成AIの学習には大量のデータが必要であるため,少量のデータ数しか得られない場合には学習が不十分となる傾向がある.本研究では,血液検査等の臨床検査値を含む少量の臨床データの合成データ生成に適した生成モデルの検証を目的とした.【方法】既報[1]の免疫抑制剤シクロスポリンのデータ(36名)を学習に80ポイント,評価に9ポイント使用した.比較する生成モデルとして,Tabular Variational Autoencoder(TVAE),Conditional Tabular Generative Adversarial Networks(CTGAN),ノンパラメトリック生成手法に属するdifferentially Private data Synthesis(PrivSyn),拡散モデルの一種であるTabular Denoising Diffusion Probabilistic Models(TabDDPM),大規模言語モデルを応用したGeneration of Realistic Tabular data(GReaT)を採用した.属性は,投与量(4種類)および性別を離散値として,投与後経過時間,年齢,体重,身長,ALT,AST,SCR,CLCR,および血中薬物濃度を連続値として生成した.各手法にて合成臨床データを100ポイントずつ生成し,類似度評価を行った.学習データと合成データの一致度合いを基とするデータプライバシー開示リスク評価や回帰AIによる有用性評価で生成モデルの適性を検討した.【結果・考察】分布類似度をWasserstein距離で比較すると,TVAEは離散値の距離が最悪の0.49(他手法は0.33以下,最良はCTGANの0.23)であった.CTGANは連続値の距離が最悪の0.49(他手法は0.35以下,最良はPrivSynの0.32)であった.有用性評価をRMSEで行った結果,PrivSynは最悪の123.07(他手法は90以下,最良はTabDDPMの48.48)であった.プライバシー評価の結果,TabDDPMは最悪の0.27(他手法は0.14以下)であった.TabDDPMは高性能であったが,秘匿性の高い医療データを扱う上では平均的な性能をもつGReaTの方が適することが示唆された.【結論】少量の学習データを用いた合成臨床データの生成に有効な生成モデルの検討を行った.5つの生成モデルを用いて比較検証を行った結果,拡散モデルや言語モデルを用いた手法の有用性が示唆された.[1] Y. Tsuji, et al., Biol Pharm Bull. 2015;38(9):1265-71

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