日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第45回日本臨床薬理学会学術総会
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一般演題(口演)
造血幹細胞移植前処置薬とシナジー効果を示す薬剤の探索とそのメカニズムの解明
八木 健太高岡 麻佑佐川 真琳相澤 風花新村 貴博合田 光寛川田 敬石澤 有紀石澤 啓介
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p. 39-

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抄録

【目的】BCR-Abl阻害剤の登場により慢性骨髄性白血病(CML)の治療成績は大きく向上し、CML患者の5年生存率は90%を超えた。しかし、Bcr-Abl阻害剤への薬剤耐性により、1-2%の患者が造血幹細胞移植を行っている。移植患者の予後はBcr-Abl阻害薬による治療より低く、移植成績の向上もCML治療における課題の1つとなっている。また、治療薬の効果を増強する併用薬については多くの研究がされているが、臨床経験や直感に基づいて検討する薬剤の組み合わせを選定することも多く、検討の対象とならない薬剤も多い。そこで我々は、ゲノムやトランスクリプトーム、疾患および薬剤の関連性に基づいて相乗効果のある薬剤の組み合わせを予測する解析手法を構築し、CMLにおける移植前処置薬の1つであるFludarabineとシナジー効果を示す可能性がある薬剤の探索を行った。本研究では、その結果見出した候補薬剤について実際の細胞での効果およびメカニズムの検証を行った。【方法】検討には、ヒトCML細胞株であるK562細胞を用いた。Imatinib耐性K652は、imatinibをK562細胞に長期間曝露して樹立した。候補薬剤 をfludarabineまたはimatinibと併用して曝露した際の細胞生存率の変化をWST-8 assayを用いて検証した。RNA seq解析には、これらの薬剤を曝露したK562細胞のRNAを用いた。また、個々の遺伝子の発現変動は、リアルタイムPCR を用いて確認した。【結果・考察】Drug Aはfludarabineと併用する事でfludarabine単独刺激と比較してより強力に細胞生存率を低下させた。一方で、imatinibと併用して曝露してもimatinibの細胞生存率はimatinib単独刺激と比較して有意な変化はみられなかった。また、imatinib耐性K562においても同様の結果が得られた。そこで、RNAseqを用いた解析を行ない、4つのアポトーシス関連遺伝子を作用点の候補として見出した。リアルタイムPCRによって更なる検証を行ったところ、そのうち2つの遺伝子は、fludarabindeでは優位な発現量の変化がみられたが、imatinibでは変化が見られなかった。これら2つの遺伝子には共通して関与する受容体Xがこのシナジー効果の作用点となる可能性を見出した。【結論】DrugAはfludarabindeとシナジー効果を示し、その作用に受容体Xが関与している可能性がある。

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