日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第45回日本臨床薬理学会学術総会
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シンポジウム
ICH E11及びE5に基づく外挿戦略を活用した日本人小児臨床試験
塩見 真理
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p. 67_-

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抄録

小児を対象とした医薬品開発は、臨床試験の実施の難しさにより、成人に比べて、臨床開発が進みにくい背景を有する。欧米では、小児用医薬品の開発を促進する目的で、成人を対象とした開発過程において小児開発を検討することが既に義務化されている。本邦でも、成人の開発期間中に小児用医薬品の開発計画を策定する指針が本年発出された。このように小児用医薬品開発の機運が高まっている中、臨床薬理担当者として、臨床試験を通じて貢献できることについて、議論を試みたい。 小児を対象とした臨床試験は、臓器の成熟段階に応じ、きめ細かな用法・用量設定が求められること、さらに採血量に小児特有の制限があり倫理的な観点から採血点数も、より必要最小限に留める必要がある等、成人での開発以上に留意点を有する。一方でこれら設定を行うに際し、小児集団での情報は必ずしも十分でない場合が多い。 そこで、最小限の小児集団から過不足無くデータを収集するべく、ICH E11及びE5の外挿戦略に基づいて、既存の情報を臨床試験に活用することで、効率的かつ倫理的な臨床試験の実施に結びついた事例を報告する。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症治療薬のダプトマイシンは、これまで日本人成人、非日本人成人及び非日本人小児での適応は取得していたものの、日本人小児での承認申請は行われておらず、感染症治療のため開発が急務であった。日本人小児を対象とする臨床試験立案にあたり、先行している臨床試験データを活用してダプトマイシンの薬物動態学的特性、有効性または安全性に関する曝露―応答関係を精査し、臨床薬理的な観点から、最適な試験デザイン及び用法・用量の設定を行った。その結果、日本人小児患者においても一定の有効性と良好な安全性が示され、この臨床試験に基づいて、2022年に承認を取得した。本シンポジウムでは、臨床薬理担当者として臨床試験に工夫を凝らした点等、共有したいと考えている。

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