主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第45回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: さいたま市
開催日: 2024/12/13 - 2024/12/14
p. 76-
【目的】本邦の新薬承認申請(NDA)は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)による審査を経て、厚生労働省(MHLW)の薬事・食品衛生審議会(2024年4月に薬事審議会に改称)において審議され、MHLWにより薬事承認が与えられる。PMDA審査を通過した品目の大部分は承認されるが、一部承認されていない品目も存在する。本研究は、PMDA審査とMHLW承認の関連性を明らかにすることを目的とした。【方法】2002年1月から2022年12月にPMDA審査を通過後、MHLW薬事・食品衛生審議会において審議されたNDAの承認割合を検討した。調査対象品目数、初回薬事審議会から承認までの日数(審査期間の延長分)、求められた承認要件等について、MHLW薬事・食品衛生審議会の議事録、承認品目のPMDA審査報告書及び製造販売業者によるプレスリリース等から情報収集した。【結果・考察】研究期間内にPMDA審査を通過した2,179品目のうち、2,143品目(98.3%)がMHLW薬事・食品衛生審議会の初回審議に基づいて承認された。残りの36品目(1.7%)は、MHLW薬事・食品衛生審議会で複数回審議され、このうち29件が申請書類の軽微修正(24件)、臨床データ再解析(1件)、または臨床データ追加(4件)により承認され、審査期間の延長分は、それぞれ143±125日、210日、754±615日であった。これらの結果から、PMDA審査とMHLW承認は強く関連しており、PMDA審査を通過した品目は、薬事審議会における初回審議で高率に承認されることが示された。また、初回審議で承認に至らなかった場合の多くが申請書類の軽微修正で承認されたことから、科学的な評価はPMDA審査で議論済みであることが示された。以上より、MHLW薬事・食品衛生審議会の必要性を含めてNDAの審査プロセスを再検討することにより、迅速な医薬品承認を実現できる可能性が示唆された。本研究の限界として、PMDA審査の最終段階である専門協議会における議論及びPMDA審査中に取り下げられた品目とその理由について検討していないことが挙げられる。【結論】本邦のNDAについて、PMDA審査を通過した品目は、高率にMHLW承認を取得した。MHLW薬事・食品衛生審議会の初回審議で承認されなかったNDAが少数みられたが、そのほとんどは最終的に承認された。