主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第45回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: さいたま市
開催日: 2024/12/13 - 2024/12/14
p. 92-
【目的】 感染症患者を対象として臨床試験の説明・同意を行うにあたっては、感染対策上の観点から様々な問題が発生する。例えば、病室内に持ち込んだ同意書紙面を病室外に持ち出すことができない、代諾者から同意を得る際に代諾者も感染者や濃厚接触者であり医療機関への来訪ができず対面での説明・同意が困難、などの問題がある。 2021年度より開始した新興・再興感染症データバンク事業(以下、REBIND)は感染症のバイオバンクである。REBINDにて、感染者の同意取得に係る課題を解決するため、eConsentシステムを開発し、運用を行った。 【方法】 「人を対象とした生命科学・医学系研究に関する倫理指針(以下、指針)」及び研究内容を鑑みてeConsentシステムの必要要件を以下3つに分けて検討した。 1.感染症のバイオバンクであることを考慮した要件 2.指針に基づく「研究協力機関」として参加している医療機関を考慮した要件 3.患者・代諾者における使いやすさを考慮した要件 【結果・考察】 検討した各要件について、以下の通り整理した。これに基づき仕様書を作成し、システム会社にeConsentシステムの開発を委託した。 1.感染症のバイオバンクであることを考慮した要件 REBINDでは主に入院期間中に検体採取を行い、退院後に説明文書が改訂されても再同意を必要としない。説明文書改訂時に再同意が必要とのフラグを立てる機能は必要ないため省略した。再度の入院や他の感染症への罹患の場合は再同意が必要であり、患者を再登録することで再同意を得るような仕組みにした。 2.指針に基づく「研究協力機関」として参加している医療機関を考慮した要件 研究協力機関としての参加の場合、研究代表機関の国立国際医療研究センター(以下、NCGM)がeConsentシステムの利用者である患者・代諾者(以下、利用者)から同意を得る。そのためNCGMが電磁的同意の記録確認などを行い、必要に応じて追記・修正を行えるような仕組みにした。 3.患者・代諾者における使いやすさを考慮した要件 利用者の負担軽減のため、パスワード設定を不要とし、ワンタイムパスワードでの一要素認証ログインを採用した。その分セキュリティ面を考慮して、利用者画面に個人情報を提示しないような設計を行った。 【結論】 研究内容を考慮してeConsentシステムの要件を決定したことにより、医療機関と利用者双方において使用しやすいシステム要件を整理することができた。