日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第45回日本臨床薬理学会学術総会
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一般演題(ポスター)
創薬トランスレーショナルリサーチの取り組みと課題
遠藤 佑輔鷲島 一郎大倉 毅村上 聡植木 賢河田 康志
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p. 94-

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抄録

【目的】鳥取大学では、令和2年度から創薬トランスレーショナルリサーチ(以下、TR)に関する基盤や支援体制の整備のために、創薬の研究開発経験を有するURA、知財担当者等を新たに雇用して、地方大学でも実装可能なTR推進モデルの基盤構築を行った。本報告では、本モデルの概要及び課題等について報告する。【方法】創薬シーズ選定、戦略的研究費配分、研究開発推進(プロジェクトマネジメント、伴走支援、外部リソース活用)、競争的外部資金獲得、産学連携活動についての一連のプロセスを振り返り、成果と課題を考察した。【結果・考察】本事業では、創薬シーズ発掘のためのシーズ登録システムを構築し、ポートフォリオを作成した。全体統括には、URAをプロジェクトマネジャー(以下、PM)として指名した。重点プロジェクトには、研究開発ステージに応じて評価を行い、研究費の戦略的に配分するとともに、研究者と支援担当者がプロジェクトチームを形成してTRを推進する体制を整えた。学内の支援リソースは限られているため、BINDS、AMED創薬ブースター事業、あるいは橋渡し研究拠点等と協働できる体制を構築し、研究開発を加速した。また、PMは、研究者並びに支援担当者と定期的なプロジェクトミーティングを行い、意思決定をサポートした。これまでに企業導出(海外製薬企業含む)、特許出願、AMED競争的資金獲得等の成果が得られた一方、課題も明らかになった。特に低分子化合物のヒットからリードへの構造展開の困難さ、Bench-to-BedsideのTR体制構築における基礎研究者と臨床研究者の溝、アカデミアとしての論文実績の確保と特許出願のタイミング、競争的外部資金獲得及び企業マッチングの難しさ等があった。【結論】TR体制構築を通して、PMが全体を統括し、研究費の戦略的配分やBINDS等の外部リソースを活用する体制を構築した。PM、知財担当者、産学連携担当者の支援担当者が一体となり研究者とコミュニケーションをとり、リスク回避をしながら研究開発を推進した。一方で、研究人材が限られている故のスピード感をもって研究開発を進めることができない現状は、特許出願を優先せざるを得ないなかでの論文業績の停滞を招く結果となっており、それが科学研究費等の競争的外部資金獲得の障壁にもなっている。今後は、研究開発を加速するための組織体制強化と研究者の業績蓄積をバランスよく進める体制も必要である。

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