主催: 日本臨床薬理学会
会議名: 第46回日本臨床薬理学会学術総会
開催地: 東京都千代田区
開催日: 2025/12/05 - 2025/12/06
p. 26-
近年の高齢化社会において、心不全を合併する心房細動(AF)や心室不整脈(VA)の管理は重要な臨床課題であり、生命予後のみならずQOLにも大きく影響する。2025年改訂版心不全診療ガイドラインでも不整脈は重要な併存症として扱われている。AF治療の根幹はQOLの改善とともに抗凝固療法が主となり、抗凝固薬の適正使用には腎機能に応じた用量調節や薬物相互作用の理解、出血と血栓のリスクバランス評価が鍵となる。また心不全治療薬を含むアップストリーム治療の意義や、個々の病態に応じたレート・リズムコントロール戦略の選択も重要である。VAに対する治療では抗不整脈薬の副作用リスクを常に考慮し、器質的心疾患の有無に応じた薬剤選択や植込み型除細動器等の非薬物療法との連携も求められる。これらの治療を成功に導くには、臨床薬理学的アプローチが不可欠である。高齢者や多剤併用患者に対し、医師の診断・戦略とともに薬剤師も含めた多職種連携による薬学的管理が必須であり、副作用の早期発見やポリファーマシーの回避といった薬学的介入を通じて、患者中心の医療を実現することが最終目標となる。