日本臨床薬理学会学術総会抄録集
Online ISSN : 2436-5580
第46回日本臨床薬理学会学術総会
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シンポジウム
遺伝性大動脈疾患に対する遺伝学的検査の現状と課題
武田 憲文
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p. 86-

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抄録

遺伝性大動脈疾患には、マルファン症候群のように大動脈以外の多系統(骨障害など)に表現型を有する症候群性のほかに、大動脈以外の症状には乏しく、外見だけでは診断や遺伝性の把握が困難な非症候群性がある。症候群性では複数の原因遺伝子が発見され、診断基準や病型(重症度)の判定にも利用され、個別化医療実現への期待も高まっている。例えば、フィブリリン1(FBN1)遺伝子変異を原因とするマルファン症候群では、システイン残基の異常で水晶体偏位を来しやすく、ハプロ不全型変異では動脈瘤や側弯症の進展が早い傾向がある。また、トランスフォーミング増殖因子-β(TGFβ)シグナル伝達因子をコードする遺伝子に病的変異があるロイス・ディーツ症候群では、二分口蓋垂、眼間開離、全身の血管蛇行や中小動脈瘤・解離(頭頸部など)との合併が多く、さらにはTGFBR1TGFBR2SMAD3遺伝子変異がある場合には大動脈瘤の形成速度も早い。一方で、非症候群性の場合には、その自然経過が十分に知られていないため、ゲノム診療のニーズ・有効性はさらに高いと考えられるものの、原因遺伝子の特定率は依然低く、家族のフォローアップが難しい場合も多い。本稿では、遺伝性大動脈疾患に対するゲノム医療の現状と最近の進歩について、遺伝学的検査前後の遺伝カウンセリングの重要性とともに概説する。

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