2023 年 74 巻 2 号 p. 1-12
本稿では新東京国際空港公団の資金調達の手法ならびにその推移を分析した。資金調達の主力手段は公団債の発行であり、その太宗は他の公企業と同じく、公的資金(財政投融資)による引受けに依存していた。しかし、国鉄のように債権発行コストが経営を圧迫しなかった背景には、空港自身の事業としての成長があった。一方、政府出資と借入金による調達には跛行性がみられ、企業体としての財務規律が意識されていたとは考えにくい。また、資金は各年度ごとに空港の整備ニーズにあわせた必要額が調達されていたが、民営化直前の 2001 年には、民営化後の整備ニーズを見越した大型調達が行われた。民営化にあたっては改めて資本金が設定されたが、財投改革の影響もあり、爾後は公的資金に代わって財投機関債や社債発行による民間資金による調達が主力となった。