2025 年 76 巻 2 号 p. 19-30
本研究は、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、事業者が脱炭素・低炭素技術や関連サービスにどの程度の支払い意思を持つかを明らかにすることを目的とする。大規模事業者と小規模事業者を対象にアンケート調査を実施し、コンジョイント分析を用いて支払い意思額を測定した。その結果、大規模事業者は都市ガス価格に換算して低炭素技術導入に1m3 当たり4.051円、二酸化炭素排出量見える化サービスに1m3 当たり2.125円と比較的高い支払い意思を示した。一方、小規模事業者はいずれも 1m3 当たり0.249円と非常に低い支払い意思にとどまった。この違いは、両者の脱炭素に対する意識や関心の差に起因すると考えられる。ただし、購入希望確率を高めるために必要な値下げ額は小規模事業者のほうが小さいことから、補助金支出による効果が大きい可能性が示唆された。これらの結果は、エネルギー事業者から大規模事業者への価格転嫁が一定程度可能である一方、小規模事業者では補助金などの政策支援が特に有効であることを示している。