医療の質・安全学会誌
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患者の安全性確保のために医薬品リスク管理計画(Risk Management Plan:RMP)を薬剤師がどのように活用するか? −副作用シグナル検出システムの構築−
幸田 恭治古川 裕之
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2018 年 13 巻 2 号 p. 123-

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抄録
目的:2013年4月以降に承認申請された医薬品は医薬品リスク管理計画(以下,RMP)の作成が義務付けら れた.薬物治療を受けている患者の安全確保のため,医療現場ではこれを活用することが有用と考える.そこで,病棟薬剤師がRMPで示されている安全性検討事項について患者から確認する仕組みを構築する. 方法:病棟薬剤師は,概要付きRMP本文を使用した.次に新たにRMPに基づいて作成したリスクチェック シートを用いて,病棟薬剤師が医薬品毎の安全性検討事項を確認した.また,副作用シグナル確認シートで重要な不足情報を確認した. 結果:2016年12月までにPMDAホームページに223成分249品目の医薬品のRMPが公開されている.このうち,山口大学医学部附属病院(以下,当院)で使用可能な10品目の医薬品について,リスクチェックシートを作成した.2016年12月までに病棟薬剤師が,検出した安全性検討事項は84件,副作用シグナルは6,983件であった. 考察:副作用シグナル検出システムが稼働する前は,副作用シグナルとして報告はなかったが,稼働後は84件の安全性検討事項,6,983件の副作用シグナルが検出された.これらは副作用の初期症状であることから,早期の副作用発見に貢献できるデータと考える.リスクチェックシートと副作用シグナル確認シートを用いることで焦点を絞った安全性データを収集可能となり,体系的にリスクを確認できた.
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