医療の質・安全学会誌
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報告
群馬大学医学部附属病院における医師からのインシデント報告増加の経験
永井 弥生斎藤 繁好本 裕平
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2018 年 13 巻 4 号 p. 403-410

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抄録
群馬大学医学部附属病院で医療事故問題が判明後,速やかな改善を図った事項の一つにインシデント報告体制がある.院内には2010年度に策定されたバリアンス報告という合併症の報告内容を規定する制度があったが,どこまでの事象を報告するかは個人や診療科の判断に任されていた.バリアンス報告の規定を変更し周知徹底を図るとともに,医療安全管理部門においては各部署との連携強化,能動的な問題事象の把握体制を構築した.医師からの報告数は年々増加し,事故判明前の2013年度217件から2016年度802件と3.7倍となった.また,一つの事象に対して複数の職種から報告される事例も顕著に増加した.医師からの報告は治療に関わる事象レベルの高い事例が多く,医師が医療安全への高い意識を有することは安全文化の構築には欠かせない.今後,教育体制の充実を図り継続的な体制につなげるとともに,報告の簡易化など現場の負担を軽減するための検討も必要と考える.
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