医療の質・安全学会誌
Online ISSN : 1882-3254
Print ISSN : 1881-3658
ISSN-L : 1881-3658
視点
本邦における安全な血管確保とチーム医療の確立に向けて
徳嶺 譲芳安藤 秀明浅尾 高行
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 14 巻 2 号 p. 197-201

詳細
抄録

中心静脈カテーテルの挿入・管理は,医療安全の重要課題である.海外では血管確保のためのチームvascular access team(VAT)が,医療安全に重要な役割を果たしている.本稿はVATの概要を解説し,本邦でのVATの導入について議論を試みた.
VATの有用性のエビデンスは明らかではないが,合併症の低下や患者サービスの向上などが報告されている.本邦でのVATの導入は,働き方改革や医療の質の向上の解決策の一つになる可能性がある.VATの導入において,人材と教育が問題点となる.人材問題では,海外のVATを参考に,施設にあった多様な形態のVATを参考にすることができるだろう.教育問題は,Web-learningによるシミュレーション教育が,細い血管確保という高度な技術の習得において有用であると考える.
以上の問題を解決し,本邦でもVATを作ることで,医療の質の向上に貢献することが期待される.

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top