2021 年 16 巻 1 号 p. 12-17
がん薬物療法に携わる薬剤師には,抗がん薬の適正使用と安全管理が求められている.しかしながら,がん薬物療法を実施する際の確認事項は,薬剤師の経験年数や知識等に委ねられがちである.今回,電子カルテシステムの中にレジメンチェックシステムを構築した.構築したシステムを用いて,薬剤師ががん薬物療法レジメンの事前確認を行ったうち,医師へ問い合わせを行った件数について調査した. 薬剤師から医師へ問い合わせた95件のうち,検査に関わるものが46件(48.4%),支持療法に関するものが12件(12.6%)で,問い合わせ件数について経験年数による差はみられなかった(p=0.933,Fisherの正確検定). 今回構築したシステムを活用することでがん薬物療法レジメンの確認事項は均てん化できる.また,同システムを利用することで,がん薬物療法を安全に実施できる手段と考える.