医療の質・安全学会誌
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報告
院内処方から院外処方への移行における疑義照会簡素化プロトコ-ル導入の効果
鈴木 千波久保 淳一高木 明彦髙取 士剛水谷 彰史佐藤 裕資森田 眞樹子佐藤 公人
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2021 年 16 巻 2 号 p. 154-159

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抄録

JA北海道厚生連遠軽厚生病院は院内処方から院外処方への移行にあたり疑義照会簡素化プロトコールを作成した.そこで,移行前の処方内容からプロトコールの効果を検討した.2018年1月から3月までの患者数は12,861名,年齢は59.5±24.7歳,そのうち65歳以上の割合は55.6%であった.また,処方件数は28,052件,平均剤数は3.2±2.6剤であった.疑義照会対象の処方件数は4,020件であった.模擬疑義照会にて要した時間は75.4±20.5秒/件,疑義照会対象の4,020件に換算すると3ヶ月で約84.1時間であった.プロトコールの運用は院外処方への移行により想定された疑義照会を効率的に実施することを可能とし,医師の業務負担の軽減,保険薬局での患者待ち時間軽減に一定の効果が示された可能性があった.今後もプロトコールに基づく薬物治療管理(PBPM)を活用しながら地域の医療スタッフが連携をもち患者薬物治療に関わっていくことが重要であると考えられる.

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