抄録
目的:新人看護師の医療安全に対する入職時と入職1年後の認識の変化,及びその認識を持つきっかけとなった経験を明らかにすることである.
対象と方法:A県内一般病院に勤務する2年目看護師231名を対象に,入職時と入職1年後の医療安全に対する認識の変化,及びその認識を持つきっかけとなった経験について,自由記述を求める質問紙調査を実施し,54名から得た結果を質的に分析した.
結果・考察:入職時の認識として【医療事故に対する楽観的な考え】【安全意識の欠落】【医療安全よりも業務が優先という考え】【一人一人の医療者が意識すべき大切なこと】【医療安全に対する漠然とした考え】【医療事故に対する悲観的な考え】,入職1年後の認識として【医療安全に対する意識の高まり】【自分が事故を起こす可能性の受け止め】【一人一人の責任であると同時にチームで取り組むべき大切なこと】【事故防止のための具体的行動を意識】【継続する医療事故への不安】が明らかになった.そして,入職時と入職1年後の認識を比べると,医療安全に対する『低い関心』から『高い関心』,『個人』から『チーム』,『漠然』から『判然』へと変化していた.また,医療安全を考えるきっかけとなった経験は,直接・間接を問わず,日常的な薬剤関連・患者の行動・勤務関連の経験であった.さらに,これらの経験を繰り返すことや自身の行動を振り返ることで認識が変化していた.