2021 年 16 巻 4 号 p. 471-478
目的:新型コロナウイルス感染対策のため,従来のような対面・集合形式の授業が行えなくなった.国立大学附属病院医療安全管理協議会教育委員会において,コロナ禍のもとでの,オンライン授業の実施など卒前医療安全教育の変容と今後に向けた課題についてアンケート調査を行った. 方法:教育委員会で調査項目を作成し,Google Formで協議会会員校およびオブザーバー校に自由参加形式でアンケート調査を実施し,個々の大学が特定できないように配慮した上で回答を集計した. 結果・考察:対象校46大学病院のうち42病院から回答があった(回答率91%).「コロナ禍で実施困難になった授業形態」は集合形式の講義と実習がもっとも多かった.「授業中の質疑応答」,「教育効果の評価」,「グループ学習や実習」を行わない大学が30%から50%を占めた. 結論:オンライン授業は発展途上であり,課題が多いことがわかった.先進的な取り組みは大学間で情報を共有する必要がある.