抄録
要約:転倒転落は複数の要因により発生するが,中でも睡眠薬が起因となっている事例は少なくない.今回我々は,原疾患治療で入院中不眠を訴える患者に対して,転倒転落リスクの低い睡眠薬を用いた標準化フローを作成し,運用を開始したので報告する.
方法:院内の睡眠薬の処方状況を確認し,より安全な薬剤が選択できるように不眠時治療標準化フローを作成した.また,クリニカルパスや病棟定数配置薬も併せて調整を行い,より適切な治療が行えるように見直しを図った.運用後,睡眠薬治療にどのような影響を与えたのか処方状況を再度確認した.
結論:標準化フローの作成と院内整備によって不眠症治療が統一化されたことで,転倒転落の原因となり得る睡眠薬の処方は大幅に減少した.しかし運用開始間もないため,転倒転落との因果関係はまだ解析には至っていない.今後は連携先医療機関も含め,地域全体へ当院の運用,取り組みを拡大できるように計画を進めていく.