医療の質・安全学会誌
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原著
国立大学病院における免疫抑制・化学療法時のB型肝炎再活性化予防対策に関する実態調査
新谷 拓也北村 温美兼児 敏浩武田 理宏門脇 裕子奥田 真弘中村 京太中島 和江
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2023 年 18 巻 2 号 p. 148-157

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抄録
目的:免疫抑制・化学療法によるB型肝炎再活性化予防のため,治療前スクリーニングが推奨されているが,その実施率は高くないことが国内外で報告されている.スクリーニングを促すための安全対策は施設毎に様々である.国立大学病院での取り組み状況と課題を共有し,各施設の安全対策に活かすことを目的に調査を行った.
方法:2020年11月に国立大学附属病院全42施設を対象に,免疫抑制・化学療法に伴うB型肝炎再活性化の予防対策に関して,具体的な取り組み,対象薬,課題等についてアンケート調査を行った.
結果:回答のあった41施設のうち35施設(85%)が安全対策を実施しており,「医師への教育」「薬剤師の処方監査」が24施設(69%),「処方時のアラートシステム構築」が17施設(49%)で実施されていた.アラートシステムの対象薬にステロイドを含んでいる施設は4施設のみであった.抗体検査等の有効期間は,未設定,または半年から5年と施設間で大きく異なっていた.システム構築の課題として,技術的な困難さのほか,ガイドライン上の対象薬が適用される疾患,投与量,期間が多様であるためシステムでの一律の制御が困難であること,アラートへの反応性の低下が懸念されることなどが挙げられた.
結論:B型肝炎再活性化予防対策として,医師教育と薬剤師監査が広く実施されていた.アラートシステム構築の際にはアラートの基準や表示方法等について十分な検討が必要である.
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