医療の質・安全学会誌
Online ISSN : 1882-3254
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報告
調整機能に着目した有害事象未然防止策の立案と実践 −機能共鳴分析を用いた可視化による検討−
高橋 敬子, 森下 存子, 江口 明世, 高橋 正子, 笹沼 直樹
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2023 年 18 巻 3 号 p. 286-294

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抄録
多重課題を要求される医療現場における業務は,一連の医療行為を成立させる細かな「機能」の繋がりで,従事する者が調整能力を発揮しながら患者安全の確保に貢献している.調整能力は重要な能力であるが,個人の気づきや判断に任されていることが多く必ずしも成功へと繋がるわけではない.成功に至ったとしても個人の「機転」として対応されていた場合,他者は気が付かず,本人も無意識のままに実施することとなり,有害事象の対応策に組み入れることは困難である.
機能共鳴分析(Functional Resonance Analysis Method:FRAM)は,人の思考や行動を反映したモデルを作成できる.FRAM分析を用いて未然防止策を立案する過程において,繋がる「機能」の1つに擾乱や制約が生じた場合,「調整するための機能」が発生し,この「調整のための機能」の可視化の可能性が考えられた.可視化された「機能」を未然防止策に反映することで,医療者が実践しやすい対応策が得られたため報告する.
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