医療の質・安全学会誌
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報告
治療薬物モニタリング(therapeutic drug monitoring:TDM)に関連したインシデントの発生傾向と要因の分析
山口 佳津騎田中 裕章元木 貴大酒井 佳代近藤 恵柏木 麻衣子松浦 奈都美村上 和司小坂 信二杉元 幹史
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2024 年 19 巻 4 号 p. 404-410

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抄録
本研究では,治療薬物モニタリング(therapeutic drug monitoring:TDM)に関連したインシデントの軽減につなげる知見を得ることを目的とし,インシデントの発生要因の分析を行った.2018年4月~2024年3月の間に報告されたTDMに関するインシデントは45件あり,「採血(30件)」における発生が最も多かった.また,発生要因では「確認を怠った」「連携ができていなかった」「勤務状況が繁忙だった」「通常とは異なる心理条件下にあった」が多い傾向にあり,インシデントレポート中の単語では「採血」「確認」「看護師」の出現頻度が高かった.本結果より,採血時の看護師の多忙や焦りに起因する確認不足がインシデントを誘発していることが示唆された.また,多職種が関わるTDMでは連携不足が要因となりやすいことも示唆された.データの解釈には慎重を要するが,本研究結果はTDMに関連したインシデントの発生防止策を検討する上で有用な知見を与えるものと考える.
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